
2018年。メキシコ レイクエルサルト釣行5日目の夕方。
翌日の朝の釣りをもって僕らはこの地を後にする。つまり最後の夕まずめをむかえていた。
ガイドのロレンソは自分と玉越さんに「最後の夕まずめだから、とっておきのポイントに連れてくよ。でればグランデの秘密のポイントだ。バモノス!」と言い放ち、アクセル全開でボートをかっ飛ばした。
彼の喋るスペイン語は全くわからないが、5日もずっと一緒に釣りをしてれば不思議と話している事が理解でき会話が成立する。ガイドと客という立場も、知らぬ間に気の知れた釣り友達のようになっていた。
夕焼けで真っ赤に染まった大地と湖面を眺めながら、十数分の感無量to黄昏クルージング。
やがてボートは大きな岩盤の手前で減速し、ゆっくりと自然の静寂に溶け込んだ。
崖の上には大きなサボテンがそびえ立ち、見慣れない動物が駆け抜けた。
自分はロレンソの目の前にタックルボックスを広げて「最後、どれがええと思う?」と日本語で尋ねた。
ロレンソはじっくり吟味し、T.W.Jのアブサンを取り出し「コイツだ!コイツを投げろ」とスペイン語で答えた。
続けて「着水して10カウント数えろ。そして激しいワンアクション。そしてまた10カウント数えるんだ」
この男、バスの性格を熟知している。そしてサーフェイスゲームの愉しみ方をも。
岩盤ギリギリに着水したアブサンを見て、ロレンソは「1.2.3…….」カウントを始めた。
そして「….10!アクション!」。一呼吸おいて、ゴボンッとアブサンが水面を打つ。
再び「1.2.3…….」とカウントが始まる。
はっきりと覚えていないが5を数えるまでもなく、大きな水柱と重低音と共にアブサンは水面から消えた。
船上ではバスとファイトする自分より、ロレンソが大大興奮。
「グランデ、グランデ!ほらみろ、俺の言った通りだろ!やったぜベイビー」大声で叫ぶ。
ネットインの瞬間までその興奮は続いた。が、キャッチしたバスは、まさかのこの釣行で最も小さなブラックバスだった。
「一体どうやったら、このサイズであんな派手なバイトができるんだ?」
照れくさそうにスペイン語でそう呟きロレンソは苦笑いをした。
その顔がとても心に焼き付いた。
「ソーリー」と言うロレンソに自分は「パーフェクト!」と返した。
心からそう思える一匹だった。そして、みんなで大笑いをした。
サーフェイスゲームにおいて最高の喜びとは?最高の魚とは?
アブサンは最高のストーリーテラーだ。
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TOP WATER JUNKY ABSINTHE
11年ぶりの登場です。
LIBERAL ANGLARS Orange Wing




